オンラインショップで着物を買うときには、なるべく自分に合ったサイズを選ぶことはとても大切。
特に、殺陣は動きが多くなりますので腕が引っかかったり着崩れすると、気を取られて事故につながる恐れもあります。
今回の記事では、自宅でできるサイズの測り方と、ショップのサイズ表の見方をお伝えしていきます!
- 最低限の動きやすさを重視
- 男物の着物を選ぶ
- 袴を着用する前提
という条件下で書いています。
女物の着物は除外していますので、ご注意!
【前提】オンラインで着物を買うときは『最低限』の寸法を合わせよう
理想的な着物のサイズは、身体の色々な部分の長さを測った上で、その人の体型に合わせて仕立てたものです。
ですが、オンラインショップのものは既に出来上がったもの。
あなたの身体に完全にフィットするものは少ないという前提で考えましょう。
逆に、最低限の『動きの邪魔にならない』点はしっかり押さえていきます。
着物を選ぶのに必要なサイズを知ろう
まずは、あなたの身体のサイズを測ることから始めましょう。
着物のサイズ表で表記されているものの中で、見るべきなのは以下の通りです。
身丈(みたけ)
身丈とは、着物の肩から足元の裾(すそ)までの長さを表しています。
身丈は、男性着物の場合は身長から25cm引いた数字が書かれています。
つまり、身丈が140cmと書かれていたら、身長が165cmの人に合わせた仕立てということになります。
反対に女性着物の身丈は、身長の数字とそのまま同じサイズを選んでOK。
ただし、女性が男物の着物を選ぶときには、身丈だけを見て選ぶと袖の長さや胴回りのサイズが合わない可能性があります。
男性と女性では体型が違うためです。
むしろ、袴を付ける場合は『尻っぱしょり』と言う方法で着物を腰の帯に引っ掛けるので、身丈はそれほど気にする必要はありません。
袴を使わない場合は身丈も踏まえてサイズを選ぶことは必要ですが、
今回は殺陣ということで、袴を履くことを想定しています。
この後に紹介する後巾、前巾、裄丈を優先的に考えてOKです。
後巾(うしろはば)と前巾(まえはば)
後巾(うしろはば)とは着物の背中側の広さ、
前巾(まえはば)とは着物のお腹側の広さを指します。
これらは着物の胴体部分のフィット感や動きやすさに関係するため、あなたの体型に合った広さを選びましょう。
大まかには、あなたのヒップのサイズを元に計算するのがカンタンです。
簡易的ではありますが、大体これによって身体のサイズから大きく外れない寸法を出せます。
サイズ表に書かれている『後巾』『前巾』を見るときは、上記の計算を行ってメモしておきましょう。
裄丈(ゆきたけ)
裄丈(ゆきたけ)とは、肩から手首にかけての袖の長さを表します。
着物の袖が長すぎるとジャマになりますし、反対に短すぎると肘が袖に引っかかったり、着物全体が引っ張られて着崩れしたり、といった事が起こります。
殺陣は刀を振る関係上、腕周りの自由度が高い着物を着ておくと安全です。
裄丈は首の付け根の出っ張った骨から、肩を通って手首のくるぶしまでの長さを測ります。
以上のサイズを測っておくことで、オンラインショップでサイズ表を見たときにも、あなたに合ったサイズの着物かどうかを判断しやすくなります!
自宅でサイズを測るときに必要な道具
自宅で身体のサイズを測るときは、以下のものがあるとOKです。
- 巻き尺
- ボディテープ(無ければ何でも可)
- メモ
まず、巻き尺は必須です。身体のラインはカーブを描くため、硬いメジャーよりも柔らかい巻き尺のほうが正確に測れます。
ボディテープは、一人で計測するときにあると便利。腕の長さを測るのは自分ひとりでは割と大変なので、テープで巻き尺を身体に固定すると測りやすいためです。
そして、測ったら忘れないうちにメモを取りましょう。サイズによっては、計算が必要になるものもあります。
巻き尺は100均ショップでも買うことが出来ますが、1mまでの長さしか無いものもあります。身長を測るときには、要注意です。
巻き尺の購入時は長さも見ておきましょう。
実際に測ってみよう
実際に巻き尺で計測するのは、
- 身長(身丈)
- ヒップのサイズ(後巾と前巾)
- 首から肩、手首までの長さ(裄丈)
の3つとなります。
ご家族がいる方は手伝ってもらってください。
一人で測る場合は、テープを使って巻き尺を固定しながら測るとやりやすいです♫
身丈(みたけ)の測り方
身丈を出すために、あなたの身長を測ってください。
男物の場合は、身丈は身長から25cmを引いた長さです。女物はそのままの長さでOK。
オンラインショップのサイズ表にある身丈の長さの中から、余裕をもって±5cmした長さから絞っていくといいでしょう。
ただし、これはあくまでも選択肢を絞ったという程度のもので、ここから後巾や前巾・裄丈なども踏まえて検討していくことになります。
- 身長を測り、そこから25cm引いた長さに対して±5cmまでを「身丈」としてメモしておく。
- 女性着物の場合は、身長に±5cmほどで考える。
後巾(うしろはば)の測り方
後巾を、以下の順序で出していきましょう。
この計算の理由の説明は今回は省きます。
巻き尺で、あなたのヒップサイズを測ってください。厳密には「身体の中で最も出っ張った場所」に巻き尺を当ててください。
お尻ならお尻に。ふとももならふとももに。腰骨なら腰骨に当ててOKです。身体の中で最も太い位置を基準に、長さを出します。
例えば、ヒップの大きさが88cmだったとした場合、計算すると以下のようになりました。
- 88を4分割→22
- 22に2を足す→24
- 27に4を足す→28
つまり、ヒップが88cmの場合、大まかな後巾は28cmということです。
前巾(まえはば)の測り方
後巾の長さが分かったら、それを元にして前巾の長さを出します。
後巾と前巾には、1寸五分(約4.5cm)の差があるくらいが良いと言われています。
計算した結果、両者の長さの違いがこの4.5cmに近ければ、サイズとしては大きく外れていないと考えていいでしょう。
先ほどの例に続いて、ヒップは88cmで算出した後巾は28センチとして計算してみます。
- 88から、28の2倍=56を引く→32
- 26から15の数字を引く→19
- 動作の余裕を想定し、4cmを足す→23
結果、前巾の大まかな長さは23cmとなりました。
- 後巾:28cm
- 前巾:23cm
その差は5cm。1寸5分(4.5cm)の差よりは少し大きいですが、誤差の範囲内と言っていいでしょう。
忘れずに、計算した後巾と前巾はメモしておいてください。
後巾と前巾の、実際の着物のサイズ表記との誤差は、10cm以内なら許容範囲と言えます。
帯の結び方などでも調整が可能なためです。
ただ、一概には言えないため±5cmくらいが理想と言えるのではないでしょうか。
・ヒップのサイズを測り、それぞれの計算を行って後巾と前巾を出し、メモしておく。
裄丈(ゆきたけ)の測り方
裄丈の測り方は少々複雑です。
首の出っ張った骨から肩の骨までを測り、さらに肩の骨から手首のくるぶしまでの長さを測ってください。
それらを合計した数値が、裄丈の長さとなります。
裄丈の長さは、腕を斜め下に伸ばした状態で測ります。
一人で一度に測るのは難しいので、テープで固定しながら首から肩、肩から手首と2段階に分けて測るのがいいでしょう。
必ず、右腕と左腕の両方を測るようにしてください。長さが違う可能性があります。
違った場合は、平均値を基準としてメモしておくといいでしょう。
裄の長さは、±3cmまでなら許容範囲です。
あなたの裄丈が65cmだとしたら、62〜68cmくらいまでなら許容範囲です。
・両肩・両腕の長さを出して合計し、メモしておく。
オンラインショップで着物のサイズを見てみよう
それでは試しに、オンラインショップの着物のサイズ表記を見てみましょう。
見るべきポイントは『身丈、裄丈、後幅、前幅』です。
この商品欄では身丈に対して、25cmを+した身長も丁寧に表記されていますね。
そのほか、前幅(前巾)や後幅(後巾)、裄丈が許容範囲内なら購入を検討しても良いと言えるでしょう。
ただ、ショップによっては『S・M・L・LL』などの表記がされており、ぱっと見ただけでは分からないものもあります。
その場合はページ下部などに、別ページでサイズの一覧表記をしている可能性があります。
ショップごとに基準が違うため、間違いのないようにチェックしておきましょう。
その他にチェックしておくと良いポイント
その他でチェックしておくと良いのは、
『返品可能かどうか』ということと、『着物の素材』を見ておくと良いでしょう。
返品が可能なら、サイズが合わなかった場合でも条件次第で返品できる可能性があります。
ショップページのどこかに『返品について』などの表記があったら、ぜひチェックしておきましょう。
オンラインでの買い物は実物を手に取れないだけに、リスクをなるべく回避できるショップから購入するのがベターです!
殺陣に適した素材、適さない素材
着物の素材も季節によっては着心地や通気性に影響します。
特に、殺陣は動くので汗をかくことが多く、吸水性や速乾性に優れた素材があればおすすめです。
吸水性 | 速乾性 | |
リネン(麻) | ◎ | ◎ |
ポリエステル | △ | ◯ |
コットン(綿) | ◎ | △ |
シルク(絹) | △ | ✖️ |
ウール | ◯ | ✖️ |
比較的おすすめなのはリネン(麻)やポリエステル。吸水性や速乾性も高めです。
反対に、シルクは殺陣では使わないようにしましょう。汗が染みるとシミになったり、素材が傷むことがあります。
季節や、価格によってあなたに合う素材を選んでみましょう。
せっかく購入しても、TPOにそぐわなければ勿体ないです。
可能なら、素材も踏まえて選べたら良いですね♪
試着したい場合は、リサイクルショップの利用も検討しよう
オンラインショップは、自宅で着物を購入できるのが利点と言えるでしょう。
ですが、試着が出来ないことから商品選びにはコツが要ります。
どうしても試着をしたい、という場合はお近くの着物リサイクルショップの利用も検討してみましょう。
小さなお店は試着できるスペースがないこともありますが、最近は試着できるお店も多いです。
また、あなたの身体のサイズをお店の方に伝えたら、おすすめの着物を出してきてくれることもあります。
実際に着心地や手触りを確かめたい場合は行ってみるのも一つの手です。
リサイクルショップに行く場合でも、自分でサイズを測っておくと商品選びに迷うことは少ないでしょう。
ここに関しては、ネットで買う場合でも実際にお見せに行く場合でも共通しています!
まとめ:もう迷わない! オンラインで殺陣用の着物を買うときのサイズ選び
今回の記事では、オンラインショップで着物を選ぶ際の、あなたに合ったサイズを選ぶ方法について詳しく解説しました。
オンラインショップは情報が多く、自分に合ったものを探すだけでも一苦労です。
ですが、今回の記事を元に、あなたの身体のサイズを出しておくことで、商品選びに迷うことが少なくなるでしょう。
素敵な着物に出会えますように!
今回はここまで! 最後までお読みいただきありがとうございました!
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