殺陣をケガすることなく、カッコよく演じたいです♪
それには安全を確保するためのルールを守る、安全が確保された中でキッチリとキメる!
この両立が上手くいけば可能です!
殺陣には常にケガのリスクがあります。これは否定できない事実です。
だからこそ、安全に行う意識で取り組み、仲間とシーンの完成を目指すことが大切。
この記事では、殺陣を安全に楽しむためのルールや、具体的な動き方について紹介します。
安全を意識するということは、相手の身を気遣って動くことに他なりません。
これを双方が心掛けることで、殺陣だけではなく、信頼関係を構築するキッカケにもなります。
ふだんの生活でも、何だか活かせそうな感じがするね…!
安全を守るための、殺陣の基本ルール
殺陣では、どの教室でも定められているルールがあります。
順に説明していきます!
武器を自分や相手、他のものに『当てない』
まずは自分の武器を、自分や相手の身体、相手の武器、また設備や天井に『当てない』ことが最優先です。
木刀や竹光(たけみつ)といった道具は、身体に当たってしまうとケガに繋がるためです。
指先に当たると指を切ったり骨折することも…。
また、目に当たって失明したという事例もあるため、身体に接触することは絶対に避けましょう。
同時に、天井や壁に当てて傷が付いたり、電球を割ったりすることもありえます。
自分の武器は必ず、自分の視界に納めておくようにしましょう。
基本的に、映画や舞台で刀で打ち合うシーンがあったとして、あれは刀を『寸止め』して身体の直前で止めています。
斬る場合も身体に近いところで振っていますが、実際には刀を当てていません。
構える時、振りかぶる時、斬る時なども全て、刀は当てないようにします。
例外的に、木刀同士の場合は打ち合う練習をさせる教室もあります。
これは刀で打つ感覚を身につける上でも大切なことですが、互いに相手と意思確認をして取り組んでください。
動く前に『掛け声』をかける
続いて、動く前に掛け声をかけるというルールがあります。
これは、いきなり動くと相手の反応が遅れる可能性があるため、動く前に『今から動くよ!』という合図を送るのです。
掛け声は演技であるのと同時に、安全に殺陣を行うためでもあるんだね。
殺陣は基本的には刀を相手に当てることはしませんが、
相手に避けてもらって、相手が数秒前にいたところを空振りするという動きはあります。
さすがに、明らかに当たらないところをブンブン振っているとお客様がシラけてしまいますから、
このようなハラハラを演出することはあります。
相手との信頼関係や、タイミングをずらすテクニックは必要ですが、非常に有効な魅せ方です。
そのためには、相手に反応してもらうための合図を送ることがとても大切。
掛け声は演技として、また殺陣を安全に進めるものとして大切な役割を持っているわけです。
相手が反応しやすい『きっかけ』を送る
相手が反応しやすい合図を送るもう一つのルールとして、
反応しやすい『きっかけ』を動きの中に取り入れるのも大切です。
例えば、頭上に刀を振りかぶると同時に掛け声をかける動きです。
掛け声は耳から、そして目からも相手が反応しやすいきっかけを二段構えで合図してあげると、より安全。
二重に合図を送れれば、ケガのリスクはより少なくなるってことかな?
相手側に事前動作で合図して、まず意識をさせることは大事ですね。
続けて掛け声を飛ばして『よし、来るぞ』と備える。
段階を踏んで伝えてあげることも、相手への思いやりです。
ルール、という言葉は少し堅く感じますが、その根本は『相手の身を気遣う』という心にあります。
いかに相手を大切に想えるか。
その気持ちが相手に伝われば、相手もあなたを大切に想い、あなたを気遣って動いてくれるようになります。
そのサイクルの積み重ねによる人間関係の高まりが、殺陣の魅力の一つでもあると個人的には思っています。
殺陣のルールに従った具体的な動き方
相手の身体に武器を当てない、掛け声を出す、動作で合図を送る。
この3つを具体的な動き方に表してみます。
割とたくさんあるね…。
一度に覚えるのは大変ですが、その根っこは全て『相手の身体を気遣う』ことです。
とても大事なことなので、一つ一つ確実に身につけてくださいね。
周囲に人のいない位置に構える
自分の周りに人が居るか居ないか、まず確認します。
例えば、自分のすぐ右横に人が立っている時は、絶対に武器を右側に振ったり構えたりしないこと。
左側に構えるか、可能なら動きの振り付けをした人に相談して、移動させてもらうなどの相談をしてみましょう。
振り付けをした人も、シーンを良くするために一生懸命に考えてくれています。
相談せずに動きを変えるのではなく、安全のためにという名目でお話するといいですよ。
武器は『寸止め』する
相手を斬る動きにしても、武器同士がぶつかり合う動きにしても、
原則として『武器を当てない』ことが必須です。
殺陣に使う武器は軽量の小道具で、当たると簡単に折れます。
折れた破片が顔に当たったりすることもあるので、当たる直前にグッと力を込めて武器を止めましょう。
不思議なもので、お互いに武器をキチンと止め合うとぶつかり合っているように見えるんです(笑)
武器が弾かれる動きは、当たる前に自分から
これは寸止めの応用編ですね。
殺陣の中では、相手の武器に自分の武器が弾き飛ばされる、といった動きがあります。
こういう時は、相手の武器が自分の武器に当たる前に、自分でスポーンと武器を跳ね飛ばしてしまいましょう。
そうすると武器同士が当たることがありません。
ただし、跳ね飛ばした先に人がいないかは事前に確認しておいてください。
コツは、常に自分の視界の中に武器を収めておくことです。
これなら自分の視覚の外に人がいても、当たるリスクはかなり減りますよ。
斬る時は『相手の身体の横』を振る
相手のふところに潜り込んで、お腹を真横にバサっと斬る。
こんな動きの時はどうしているかと言うと、相手の身体の真横に振り抜いています。
始めから相手のいない位置を狙って振るわけだね。
同じ位置のまま振ると危ないので、その時は足を上手く動かして、自分の位置をずらしながら振り抜くなどの微調整も行います。
多少ぎこちなくても大丈夫。
相手が斬られるリアクションをすることで、本当に斬ったように見えるんです。
攻める時は掛け声の『後』に動く
自分が攻める時は、必ず掛け声を出した『後』に動き出します。
掛け声と『同時』に動くと、相手が反応し切れない可能性があるからです。
掛け声で合図を送り、相手の準備が出来たのを確認してから動くことに慣れていってください。
ちなみに、相手と意思疎通が出来ているなら息づかいや構える動きなどの、掛け声以外の合図を使うのも一つです。
その場合は、相手だけでなく振り付けをした人や周囲の人にも伝えておきましょう。
相談せずにやるのはNGですよ!
相手と意見交換・リハーサルを必ず行う
ルールを踏まえていても、相手の方とは必ず意見交換、リハーサルを行いましょう。
教わってきた教室のやり方や、経験などで認識の違いは少なからずあり得るからです。
振り付けをされて、すぐに本番なんていうのは、経験豊富なプロのお話です。
そのプロですら怪我をすることがあるのですから、妙なところでストイックさを持つのはやめましょうね(笑)
いつも一緒にやっている仲間でも、日によってコンディションが違います。
毎回、新鮮な気持ちで取り組むことが、安全を守る秘訣ですよ!
まとめ:殺陣で守るべきルール|安全に、楽しく取り組もう
今回は、安全に楽しく殺陣に取り組むためのルールについてお話しました。
上記の3つが基本的なルールであり、具体的な動きとしてまとめると以下のようになります。
殺陣はタイミングがズレたり、手順を間違うだけでもケガにつながる恐れがあります。
だからこそ、相手を気遣い、また相手も自分を気遣う関係を作ることがとても大切です。
殺陣を演じるためだけでなく人と人との和を大切にすることに繋がれば、
殺陣は演技の世界だけに留まらない大切なことを学べる分野となります。
和の文化って、そういった人と人の輪という意味が込められてると個人的には解釈してます♪
今回はここまで!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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