姿勢×セルフケア×和文化

子育てで怒ってばかりで疲れた! そんな時は『ツッコめ』

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我が家では1日のうち5〜6回、娘と真剣勝負をしなければならない瞬間があります。

それは、

『娘が悪さをした時』

この時、ぼくは1日の中で最も思考を回転させているといって差し支えないでしょう。

先日はぼくが作ったご飯を残して、ごちそうさまをした挙句、

30分後に『パパ〜、おなか空いた』と言いやがりました。

『てめェ、だったらご飯残さずに食べろや!』

という言葉が喉元まできたところで、ぼくの脳はきわめて冷静に、次に取るべき行動に迅速に移るのです。

ぼくの目はカッと見開かれ、

ぼくの手は振り上げられたのち、

ビシィ! と娘に向けて突き出されながら、ぼくは叫ぶのです。

『オマエ、昭和の爺ィやんけ!!』

娘はぼくの顔芸を見て、一人叫んでるぼくを見てキャッキャ、と笑います。

ぼくの勝ちでした。

娘を笑わせることで、ぼくは己のプライドと親としての誇りを守り抜いたのです。

あ、『爺ィ』というのは笑いに持ってくためのこの場だけのチョイスです。

全国のおじいさん、ごめんなさい。尊敬してます。

閑話休題。

我が家での娘との真剣勝負。

それは娘が悪さをした時、いかにキレ散らかさずに笑いに持っていくか、なのです。

要は『気の利いたツッコミをすること』。

これは娘との勝負であると同時に、ぼく自身との勝負でもあります。

ぼくの中では、キレたら負けなのです。

『ご飯食べろや!』は、もはやナンセンスと言えます。笑い取れません。

ぼくのこの一人遊びというか自己満足は嬉しいことに、家庭をそんなには暗くせず程々に明るく楽しくしてくれています。

ぼくがイライラした時や怒りそうになった時の対処法は、『そのエネルギーを笑いに持ち込んでいくこと』になったわけです。

この手法、アホかと思うかも知れませんが割と考え抜いて編み出しました(笑)

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子育てのはじめはイライラしっぱなしだった

ですが、ぼくも始めからこんなキテレツなことをしていたわけではありません。

子育てをするママと同じく、ぼくも娘に対して本気で向き合っていたからこそ、

失望や落胆からイライラし、その怒りを娘に向けてしまうことばかりでした。

うちのカミさんは、直感タイプであれやこれやと手を出しては感覚で仕事をしていく人。

外に出ては夜遅くまでバリバリ働きたい人なのです。

ぼくも仕事をしながら子育てをメインに行い、眠ったらカミさんと交代して夜勤で働く生活をしていました。

カミさんのことは大好きなので文句はありません。

それでも、睡眠不足や疲れで冷静ではいられない時は多くありました。

そんな時に、娘が粗相をしたりイタズラをした時は、必要以上に気に障って怒鳴りつけてしまうのです。

ある時、娘がぼくに怒鳴られた後、しゅんとしてしまいました。

ぼくの方は怒りが収まらず、

『なに黙ってんだ! 聞こえてるんか!?』

何度も怒鳴りつけているうち、ハッとなりました。

娘はうつむいたまま、ぽろぽろと涙をこぼしながらジッと耐えていたのです。

何がいけないのかもよく分からない。ただ、パパに怒られて悲しい気持ちをどうしたらいいか分からなかったのでしょうか。

ぼくは、頭の毛穴という毛穴がビリビリビリッと痺れるような衝撃に襲われました。

ぼくは何をしていたんだ…!

ぼくは娘をすぐに抱きかかえて、ごめんよ、ごめんよ、と言い続けていました。

娘はそれでも鼻をグスグス言わせて『いいよ』と返してくれました。

『パパ、すき』と付け加えて。

自分を殴りたい…。

その日からぼくはもう、猿のように反省しきりました。

恥ずかしくて仕方がなかったんです。

自分のイライラを晴らすためだけに、これまで娘をどれだけ傷つけていたのか。

でもこのまま放っておいたら、また同じことを繰り返してしまうかも…!

なぜ、こんなに自分はイライラしてしまうのだろう?

ぼくは徹底的に調べ始めました。

怒りの感情は『防衛本能』

怒りの感情が沸くのは、外部からの刺激で自分がストレスを感じるところから始まります。

娘が悪さをした時、ぼくの中に不満が沸き起こるんですね。

そして、ぼくの中ではプライドや価値観を守ることや、溜まったストレスを解放しようとする気持ちが出てきます。

これが、怒りとなって現れるわけです。

つまり、プライドを守った上でストレスを発散すれば良い。

それを『怒り』以外の何かで達成すればいいんだ…!

そんで、ぼくが編み出したのが冒頭の『娘へのツッコミ』になるワケです。

イライラを『ツッコミに転じる』という奇策

この、一見アタマ悪そ〜な『ツッコミ戦法』ですが、以下の効果を狙っています。

  • やってるうちに『6秒』が過ぎる
  • 笑わせることでプライドを保てる
  • 自分も子供も傷つかない

順に解説します!

①やってるうちに『6秒』が過ぎる

怒ってしまうママは、怒りを鎮める方法や冷静になる方法について調べたことがあると思います。

有名なのは『6秒ルール』でしょう。

怒りを感じた時、

深呼吸して6秒間耐えたら、怒りはピークを過ぎて落ち着いていくというものです。

ツッコミを入れようとすると、瞬時に状況を読み取って『気の利いたツッコミ』をカマさなければなりません。

それをやっているうちに、勝手に6秒は過ぎています(笑)

ツッコんでるうちに、

『そもそも何にイライラしたんだ?』

となります(笑)

②笑わせることでプライドを保てる

自分の発言が笑いをかっさらったら、気持ちよくないですか?

笑わせるという結果には、ある種の『優越感』を感じられます。

自分のプライドを満たしたいなら、相手にイライラさせられたと思うよりも、

コチラから笑わせてやったと思う方がスカッとするものです。

笑いは『あなたを受け入れる、肯定する』です。

まぁ、失敗すると笑わせるというよりも『笑われる』のですが(笑)

スベり笑いなんていう文化もあるのですから、ヨシとしましょう。

③自分も子供も傷つかない

怒るというのは、自分も相手もいい気持ちはしないものです。

自分は不満やストレスを晴らすのみ。マイナスをゼロに戻すだけです。

対して、相手にはマイナスが溜まります。

だったら、プラスに転じた方がお互い気持ちいいですよね。

笑いはその場を暖かくし、プラスの気持ちを生み出します。

叫んでストレスを発散するという考えもありますが、試しにゲラゲラ笑ってみてください。

意外と、ストレスも軽くなりますよ。

ツッコミを上手くやる必要はない

ここで、

『ツッコミなんて上手く出来ないよ…』

と思うママもいるでしょう。大丈夫。

ツッコミなんて、上手くやる必要は全くないんです。

大切なのは、マイナスをプラスに持って行く努力をしたかどうか、です。

娘がご飯を残した30分後に『お腹すいた』と言った時に、

『さっき食べたやんけー!』

どストレートでも全然、問題ありません。

あなたが怒りに任せずに、笑わせよう和ませようとしたことを誇ってください。

スベッた。恥ずかし。

これだけです。少なくとも、あなたも子供も心を痛めはしません。

そうして、落ち着いた頃にゆっくりと優しく教えてあげたらいいのです。

『ご飯をちゃんと食べたら、後でお腹が空くことは無いかんね。ちゃんと食べや』

ぼくが娘にそう言うと、娘はニコッとして頷いてくれます。

これでいいのです。

まぁ、実際は後日またご飯を残し『まだお腹すいてる』と言ってきた、

というオチが付くのですが…笑

そうなったら、ぼくも再びツッコミを変えなくてはなりません。

『脳みそ、鳥レベルか!』

まぁ、このように再戦時は見事にスベッたことも付け加えておきます…。

ヒントは『落語』にある

ぼくがこのスタンスを取るのに大いに参考になったのが、落語です。

ぼくは関西出身で、関西弁の落語が好きでして。

特に三代目・桂米朝(かつらべいちょう)さんの落語は美しい言葉で流暢に語られるので、聞いていて飽きません。

その上、コミュニケーションや人生観の上でもたいへん参考になるのです。

その、米朝さんの落語を聞いていて気づいたことが一つ、あります。

それは『怒るのではなく、叱っている』こと。

怒りは否定です。叱るのは愛情がある諭しです。

似ているようで、まったく違います。

落語は一人で何人もの人物を演じ分ける話芸ですが、

米朝さんが悪さをする子供を演じるとき、それに対する大人の対応は実にやわらかい。

強い口調で怒りに任せて責めるのではなく、拍子抜けしたように『何じゃそら』というようなトーンでツッコミを入れるのです。

叱られているシーンなのに、可笑しくて笑ってしまうんです。

落語は人を笑わせるに違わねぇ

でも笑わせるのは手段で、目的は“業(ごう)の肯定”なんです

引用元-NHKアーカイブス『立川談志』

人は弱かったりだらしなかったり、しょうもないところがあります。

そんな『誰もが持っているもの』に共感し、愛してあげるからこそ笑うことができるのではないか、とぼくは思います。

笑いは許しであり、共感であり、肯定です。

子供は、それをしっかりと感じ取っているはず。

だから、ぼくは娘を怒らないように、ツッコミを入れて笑わせた後で言い聞かせるようになりました。

今回のまとめ

今回あなたにお伝えしたいのは3つです。

  • 怒るよりも笑いに持って行こう
  • ツッコミを考えてるうちに冷静になる
  • 子供が笑ってくれたあと、ゆっくり言い聞かせよう

あなたが怒ってしまうのは、自分の心を守るためです。

嫌いだから怒っている訳じゃない。そうじゃありませんか?

それを、笑いを生み出すというスイッチを入れてみることでカバーしてみてはいかがでしょう。

今回はここまで!

ぼくのヘンテコな生き様が、あなたに少しでも『いまを変える』キッカケとして届きますように。

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この記事を書いた人

殺陣4年目。普段はリラクゼーション仕事をしながら、身体の勉強をしつつ、殺陣を楽しんでいます。YouTubeチャンネル『ちゃんばらスタジオ』で仲間たちと殺陣の動画コンテンツを更新しています。

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