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殺陣をもっと魅力的に!刀の部位11選を徹底解説

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今回は、殺陣初心者の方が覚えておくと理解がスムーズになる『刀の部位の名前11ヶ所』をご紹介します。

殺陣ではやたらと、専門用語で説明をされることがあるんです。

『物打ちで斬るように』とか。

『鯉口を切って刀を抜く』とか。

んなもん、分かるか!

そんなタイミングって、あると思います。

というか、ぼくはよくありました。

ひとつ気になると、その他のことがおぼつかなくなるような性格のぼくは、スッキリしないまま稽古するのがすごくイヤで…。

で、日本刀の本を読んで調べてみたんです。

その中で、

『あ、これは殺陣でも知っておくと便利だな』

と感じたものを11ヶ所に絞ってみました。

この記事を読むと、刀の部位の知識が殺陣で活かすヒントになります。

ぜひ最後まで読んでみてください!

長いですけど…(笑)

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殺陣で刀の部位を知っておくメリット

殺陣の中で刀の部位の名前をある程度知っておくと割と便利です。

ぼくには、こんなメリットがありました。

刀の部位を知っておくメリット
  • 振り付けの意図が理解しやすい
  • 動きにリアルな迫力がついてくる
  • ムダな動きが減り、身体の負担も軽くなる

刀の部位の名前を聞いて、どこの部分を指すのか?

その部分は、刀の『斬る』という動きの中でどんな役割があるのか?

それらが分かってくると、実際の刀の動きに少しずつ近づいてきます。

日本刀を扱う剣術は武術、武道の一つ。

武術は最小限の動きで最大限の効果を出すことを大事にするため、殺陣も飛躍的に向上します!

一つ一つ、詳しく見ていきましょう!

振り付けが理解しやすい

殺陣はダンスの振り付け同様、殺陣師さんやアクション監督が振り付けをすることが多いです。

実際に動きを相手役と合わせていく中で、細かなニュアンスを伝えて修正されることはよくあること。

そんな時、『物打ちの部分で斬るように』というように刀の部位を用いて説明されることがあります。

物打ちって、なに??

こうして思考がぐるぐるし始めると周囲に気を配りにくくなり、

頭に入らない、相手と動きを合わせられないといったことにも繋がります。

反対に刀の部位のイメージが頭にあると、

振り付けの意図を理解しやすくなり、頭がこんがらがる事が少なくなります。

動きを頭に入れようとしている時に、全く知らない言葉が飛び出してくるのは割とストレスなんです。

動きにリアルな迫力がついてくる

『リアルな迫力』というのは、

本当に斬ったんじゃないか、と思わずゾクゾクっとするくらい迫真の動きをした時に感じます。

殺陣で使う刀は本物の刀ではなく、作り物の軽い刀。

それでも、形状は似ています。

本物の刀の扱い方に近い動き方ができると、作り物ですら本物に見えてくるんですよ。

動きの要所要所にそういったリアルさを散りばめると、あなたの殺陣は見ている人に強いインパクトを残します。

『あなたの殺陣、すごく迫力があって素敵です!』

こう言ってもらえたら、やっぱり嬉しいと思いません?

もちろん、リアルが全てとは言いません。

殺陣はエンターテイメントですから、派手さも時には味わいたいもの。

そんな時は、『アクション』の要素も織り交ぜてハイブリッドな殺陣に仕上げるなど、カスタマイズもどんどんやっていきましょう。

ムダな動きが減り、身体の負担も軽くなる

メリットとして強く感じるのが、

『頑張らなくても見栄えのいい動きになってくる』ってことです。

日本刀の構造は、日本人が扱いやすいように作られています。

刀はさまざまなパーツが組み上がってひと振りの刀になっており、その全てのパーツに意味があるんです。

全くもって、刀を考えだした日本人の勤勉さには頭が下がる思いです。

刃が反っているのも、持ち手に紐が巻いてあるのも、全て機能性と美的センスのノウハウが詰め込まれているんですから。

構造の理屈に添って動く事で、無理な動きが少しずつ削られていきます。

もちろん本物の刀を振らないと本当の意味で理解は出来ませんが、

刀の扱いを考えるということは、身体の動かし方を考えるということでもあります。

部位ごとに役割があるとしたら、その役割にかなうように動き方を考えていく?

そういう『考え方の順序』が頭の中に作りやすいからです。

知っておいて損は無し、ですよ。

刀の部位は『刀身(とうしん)』と『拵(こしらえ)』に分けて覚えてみよう

刀の部位は刀身と拵に分けて覚えるようにすると、より頭に入りやすくなります。

刀の部位の名称は、

  • 刀身(とうしん)
  • 拵(こしらえ)

この2つブロックに分けて覚えると頭に入りやすいです。

刀の部位の名称は細かく見ると膨大な数に及び、覚えるのが大変です。

殺陣においては、振り付けの説明の中で使われることが多い用語に絞って覚えておけば問題ありません。

それでも一気に覚えるのは大半なので、

2つにカテゴリ分けしていくと、より覚えやすくなります!

刀の本体が『刀身(とうしん)』

刀身とは刀の本体、金属部分を指しています。

刀身とは、刀の本体のことです。

刀身は『柄(つか)』と呼ばれる持ち手にはめ込み、さらに鞘から抜き差しするように作られています。

刀身を保護する部位『拵(こしらえ)』

拵(こしらえ)とは、刀身を外から保護する部位のことです。

刀の拵(こしらえ)、柄の部分。

持ち手となる『柄(つか)』

刀の拵(こしらえ)、鞘の部分

刀を納める『鞘(さや)』

これらの周辺の部分も含めたものが、拵となります。

拵は手で直接触れる部分なので、振り付けの中で使われることもそれなりにあります。

刀身(とうしん)の部位で覚えておくといい5つの名前

刀身を大きく見ると、刃と棟(むね)のエリアに分かれています。刃は斬る、棟は反りを作り、強度を高める役割を持ちます。

本来は、刀の本体である刀身には多くの名称があります。

ただ、本物の日本刀を扱うワケではありませんので、動きの理解に必要な最低限を覚えるだけで十分です。

以下の5つを覚えましょう。

  • 刃(は、やいば)
  • 棟(むね)※みね、とも言う
  • 鋒(きっさき)
  • 物打ち(ものうち)
  • 鎬(しのぎ)

これらは斬る・受ける・突き刺すという動きをする時に使われることが多いです。

まさに刀の動きに直結していますので、名前と位置がだいたいイメージできるようにするとスムーズ。

画像を使いながら、説明します!

刃(は、やいば)

刃とは、刀の斬れる側のエリアを言います。

基本的に、この刃の部分を相手に向けて斬るのが刀の動きです。

棟(むね) ※みねとも言う

棟(むね)とは刃の反対側のエリアです。

こちらは斬ることは出来ません。

人によっては、峰(みね)と呼ぶこともあります。

時代劇などで、この棟を使ってる相手を殴ることで、

斬らずに倒す『みね打ち』といった技があります。

『安心せい、みね打ちじゃ』

という、あのみね打ちです(笑)

それはこの棟側で相手を打つという表現なのです。

実際にやると刀が折れ曲がる恐れがあるので、実用的かどうかはアヤシイです(笑)

諸説ありますが、棟があるのは自分の側に刃があると危険だからといった理由や、

刀に反り(曲線)を生み出す過程で出来たものとも言われています。

殺陣では時々、この棟(峰)が会話の中に飛び出してくることがあります。

そんな頻繁に使われることはありませんが、

刃の反対側ということで、刃とセットで覚えておくといいですよ。

鋒(きっさき) ※切っ先とも書く

鋒(きっさき)とは、刀身の先端の尖った部分をいいます。

この部分で物を斬ったり、突き刺したりするので刀の中でも特に重要な部分です。

刀の先端は鋭く尖っているため、相手の目に向けて構えると相手に威圧感を与えることになります。

なので、刀を相手に向けて構えるときは

『鋒を相手の喉に突きつけるように構えろ』

と指導されることが多いです。

そんな時は、この尖った部分を相手の喉や目元に向けて構えましょう。

殺陣では小道具の刀とはいえ、

鋒が目に当たったりすると失明の恐れもありますので、注意深く自分の視界に入れておく必要があります。

物打ち(ものうち)

物打ち(ものうち)は、刀の鋒から約10センチまでの長さを取った部位のこと。

この部分が刀の中で、力学的に最も斬れ味が鋭いと言われています。

『切っ先三寸1(きっさきさんずん)という言葉がありますが、

それは鋒から約10センチ付近。

この物打ちを当てるようにして斬れ、という教えのことなんです。

これは日本刀を傷めずに最もよく斬れるように扱うためですが、

実は殺陣でも『安全面』で例えに出されることがあります。

殺陣では刀同士で打ち合う動きの際、

刀を振り、腕が伸びた時にちょうど物打ちが相手の身体付近にくるのが良い

と言われることが多いです。

どうしてなのか?

物打ちを目印に打つことを心がけることで、

自然と相手との距離が取れて、ぶつかることが少なくなるからです。

距離が近くなると刀の先端で打つのが難しいため、ある程度は距離をとって振る必要が出てきます。

見た目に無理がなく、相手との距離も生まれてぶつからない。

物打ちは、殺陣をやる上でも覚えておくのがオススメです。

  1. 三寸…約9cmほどの長さのこと ↩︎

5.鎬(しのぎ)

刃と棟の境にある、少し盛り上がった線が見えるのが鎬(しのぎ)です。

鎬(しのぎ)とは刀を横から見たときに、

刃と棟の境にある、盛り上がった筋を指します。

小道具の刀ではなかなか目立ちませんが、木刀を見ると鎬があるのが分かります。

この鎬は、相手の刀を受けて『滑らせる』という動きの際に意識すべき部位です。

そのため、刀を当てることがほとんど無い殺陣では、あまり使われることはありません。

ただし、木刀で実際に打ち合う稽古をする時は覚えておくといいです。

真剣であっても、殺陣の小道具の刀であっても、刀同士で打ち合うのは危険です。

刀は西洋の剣に比べて折れたり曲がったりしやすいため、打ち合うと簡単に損傷します。

とはいえ、相手の刀が目の前に来て避けられない時はあったでしょう。

その時に取られた対処法が、

刀を受け止めるのではなく、斜め下に滑らせるなどしてすっぽ抜けさせるという方法。

これはトリッキーですが、一応滑らせてすっぽ抜けさせてます。

こういった場合に、鎬の部分が活きてくるんです。

鎬は刀身の中で比較的強度が高く、刃のエリアで受けるより損傷がしにくい。

避けられない打ち込みを間一髪滑らせて窮地を脱する時に鎬で受け、滑らせる。

そのポイントを瞬時に相手の刀の軌道に合わせるという、地味に高等なテクニックです(笑)

昔の武士は生命をこんなギリギリで生き抜いてきたのか、なんて思わされますね…。

ちなみに、激しい争いを意味する『しのぎを削る』という言葉は、この鎬から来ています。

刀身の部位はこの5つを覚えておくと問題ありません。

もう一度おさらいしておきますね。

  • 刃(は、やいば)
  • 棟(むね)※みね、とも言う
  • 鋒(きっさき)
  • 物打ち(ものうち)
  • 鎬(しのぎ)

特に、鋒と物打ち。

この二つは名前と大体の位置を覚えておきましょう。

鎬については最初は覚えなくてもOK。そんなに使うタイミングはありません。

次は、刀身を保護する拵(こしらえ)を見ていきましょう。

拵(こしらえ)の部位で覚えておくといい6つの名前

柄、柄頭、鍔が持ち手の周辺の部位たち。鯉口、栗形は鞘にある部位です。

拵(こしらえ)は手で握る柄(つか)と、

刀身を納める鞘(さや)に分けて解説します。

拵の各部位は、以下を覚えてくと便利です。

  • 柄(つか)
  • 柄頭(つかがしら)
  • 鍔(つば)
  • 鞘(さや)
  • 鯉口(こいくち)
  • 栗形(くりがた)

これらは主に、

  • 刀を握る
  • 刀を腰に差す
  • 刀を鞘から抜く(抜刀)
  • 刀を鞘に納める(納刀)

などの動きの時に使われることの多い言葉です。

刀を腰に差している光景

柄(つか)

刀の握る部分を『柄(つか)』と言う。

柄(つか)刀を握る部位のことです。

刀を抜く時の動作では、

柄にゆっくり指をかけてください

なんて言われることがありますが、つまり握る部分に手をかけろということ。

柄=握る部分と覚えておきましょう。

また、柄の握り方や握る位置によって刀の振りやすさもガラリと変わってきます。

刀の重さや柄そのものの長さによっても、握る位置が変わるため、刀ごとに握る位置は確認する必要があります。

刀の握り方を指導される時には、柄という言葉が頻繁に出てきます。

『柄』と言われたら、持ち手のことだとパッと分かるようにしておきましょう。

柄頭(つかがしら)

柄頭(つかがしら)は、柄の紐を留める金具です。

柄頭(つかがしら)とは、柄の先端部分にある金具の部分です。

柄には滑り止めの意味で柄糸(つかいと)という紐が巻かれているのですが、

その柄糸がほどけないように固定する役割があります。

刀を握る時には、柄頭に左手の小指をかけるように握りましょうと指導される先生もおられます。

また、柄頭で相手の身体を打つという動きもありますので、殺陣では意外と会話に上がる頻度が高いです。

柄頭で相手を打つ動作

鍔(つば)

刀の中でも目立つ部位が鍔(つば)。

鍔(つば)とは、刀身と柄の境目にある金具です。

刀を握った手が滑って刃に触れないようにするのと、刀そのものの重心を調整する役割を持ちます。

安全性と、刀のバランスを保つための部分なんですね。

また、刀を抜く際にはこの鍔を親指で押しながら刀のロックを外すので、とても大切な部位でもあるんです。

殺陣では魅せ方として、相手の刀を受け止めた後に鍔で刀を弾く表現も見られます。

また、『鍔迫り合い(つばぜりあい)』という言葉の元はこの鍔からきています。

鞘(さや)

鞘(さや)刀身を納める部位です。

刀は抜き身のまま持っていることは出来ないので、この鞘に納めて、手に持つか腰に差すかして携帯します。

主に鞘が使われるのは二つの動作。

  • 刀を抜き放つ抜刀(ばっとう)
  • 刀を納める納刀(のうとう)

殺陣を始めてしばらくは、この抜刀と納刀をひたすら練習することになります。

ぼくのやってる納刀の動作。アレンジはしてますが、流れはこんな感じです。
納刀の流れはこんな感じ。

鯉口(こいぐち)

刀を納める鞘の口を『鯉口(こいぐち)』という。
鞘を正面から見た時に見える鯉口

鯉口(こいぐち)とは、刀を納める鞘の口の部分のことです。

鯉が口を開けた形に似ていることから、そう名付けられたと言います。

この鯉口は、刀がスポッと抜けてしまわないよう、パッキンのように刀を鞘に固定する役割があります。

この鯉口がもし無かったら、前にかがんだ瞬間、刀が鞘から滑り落ちることになりますね(笑)

鍔に親指を押し当てて、わずかに刀を鞘から抜く動作を『鯉口を切る』といいますが、

これは鯉口と刀の固定を緩めるために行うのです。

鞘の口が鯉の形に似ていることから、鯉口(こいぐち)と呼ばれる。

この動作は時代劇でご覧になる事も多いのではないでしょうか。

殺陣でもよく用いられる動作です。

栗形(くりがた)

鞘の側面にある出っ張り『栗形(くりがた)』

栗形(くりがた)は、鞘上部の側面に付いている出っぱりのような部位です。

この栗形は下緒(さげお)という紐を結び付ける場所であり、

刀を腰の帯(おび)に差した時にストッパーとなって、鞘が帯からずり落ちるのを防止するといった役割もあります。

殺陣では、刀を左側の腰に差す時に栗形が身体の外側に来るように向けて差すという目安としても使えます。

小道具の刀では、この栗形はとても外れやすいです。

接着剤で固定するなど、修繕に気を遣う部位でもあります(泣)

以上、拵(こしらえ)の6つでした。

  • 柄(つか)
  • 柄頭(つかがしら)
  • 鍔(つば)
  • 鞘(さや)
  • 鯉口(こいくち)
  • 栗形(くりがた)

この他にも刀の部位の名称はたくさんありますが、一気に全て覚えるのはかなり大変です。

というか、日本刀の鑑賞をするとかでなければ、全部理解する必要も無いです(笑)

殺陣の動きの中でこれら11ヶ所の名前と用途を知っておくだけでも理解の助けになりますので、

小道具の刀をお待ちの方は実際に確認してみると良いかと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は殺陣で覚えておくと便利な刀の部位を11カ所、解説させていただきました。

刀の部位は、以下の11ヶ所を覚えておけばOKです。

  • 刃(は、やいば)
  • 棟(むね)※みね、とも言う
  • 鋒(きっさき)
  • 物打ち(ものうち)
  • 鎬(しのぎ)
  • 柄(つか)
  • 柄頭(つかがしら)
  • 鍔(つば)
  • 鞘(さや)
  • 鯉口(こいくち)
  • 栗形(くりがた)

これでも多すぎる…と思いますよね。

でも、動作と一緒に一つ一つ理解していけば、少しずつ頭に入ります。大丈夫です!

これらを理解することで、メリットもあります。

刀の部位を知っておくメリット
  • 振り付けの意図が理解しやすい
  • 動きにリアルな迫力がついてくる
  • ムダな動きが減り、身体の負担も軽くなる

もちろん、殺陣で使われる刀は真剣(本物の刀)ではありませんから、

本物の刀のように精巧に作られてはいません。

それでも形状が似ているものですから、刀の理屈を殺陣の動作に流用してみるとスムーズにできたことは多々あります。

殺陣の練習の中で、理解のきっかけになれば幸いです。

今回はここまで!

ぼくのヘンテコな生き様が、あなたに少しでも『いまを変える』キッカケとして届きますように。

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この記事を書いた人

殺陣4年目。普段はリラクゼーション仕事をしながら、身体の勉強をしつつ、殺陣を楽しんでいます。YouTubeチャンネル『ちゃんばらスタジオ』で仲間たちと殺陣の動画コンテンツを更新しています。

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